デザイナーズハウスと言うのは、建築家が注文に応じて意匠を含めた個性的な住宅を設計・施工した建物を言います。
念願のマイホームなのですから、思いつく要望を伝えたいと言うのはよく分かります。
しかし、例えば日当たりを重視し過ぎた結果、南からの日光が強過ぎて、室内がエアコンが効きにくいほど高温になってしまうなども起こり得ます。
また高い天井に憧れてオーダーしたものの、冬場の寒い朝に室内が一向に温まらないなど弊害も起こるのです。
個性的な住宅に住んでみたい気持ちはよく分かるのですが、洋服のデザインなどとは違い、春夏秋冬と年間を通じてそこが生活の基盤となります。個性が心地よいなら良いのですが、使いにくさや煩わしさになるのではこの先ずっと困ります。
どんな家に住みたいか
デザイナーズハウスと聞くとただただオシャレさをイメージしますが、機能美と言うオシャレさもあります。
例えば、戸棚のノブでさえ、いくつも連続して整っていればオシャレさが出てくるという様なものです。
使い勝手が悪くなり過ぎるほどのデザイン性は、日常生活にとって百害あって一利なしという訳です。
制約の中での自由
例えば、名古屋市内にデザイナーズハウスを建てようと考えた時に、建築基準法の規制だけでなく、条例によって定められた制約があります。
用途地域や建ぺい率はもちろんですが、防火地域や風致地区などに指定されていないかも確認が必要なのです。
特に設計を依頼した時には別の土地で建てるつもりで、建設着工間際になってより理想的な土地が手に入った様な場合に、実はそこには今までなかった規制のために建設出来なくなったということも起こり得るのです。
ライフスタイルを考える
名古屋市内だけに限ったことではありませんが、都心部では往々にして厳しい基準があるので注意が必要になります。
建て売り住宅では、様々な家族構成でも適応可能な間取りや使い勝手を重視しています。そのために全てが平均的で、個性的とは真逆の設計手法で建てられます。
ところが注文住宅では、そこに住むことになる住人の家族構成やライフスタイルに合わせた設計を行いますので、より理想的なマイホームが仕上がります。
例えば隠す収納など、ライフスタイルや好みを知らなければそこまで踏み込めない設計が可能です。
ついつい、個性的というと奇抜さに走ってしまいがちですが、そうではなくてより自分たち住人に適した家であることが重要になります。
庭で家庭菜園をしたいと思っても、庭に行くアプローチ方法が玄関からしかないというのでは、住み始めて不自由だったと後悔します。
まとめ
どんなライフスタイルが理想なのか、それが明確だからこその注文住宅なのであって、思いつきだけを詰め込み過ぎると結局は住みづらいマイホームとなってしまうのです。