きしめんと名古屋めし
きしめんは名古屋のソウルフードのひとつ。幅広い麺で、平打ちうどんとも言われていま
す。きしめんは中世に中国から渡ってきた僧侶が伝えたという長い歴史があります。
きしめんの最初は、小麦粉を練って平たくのばして、竹筒を使って丸く抜いて、それを茹
でてきな粉をかけて食べていたのが始まりだそうです。丸く抜いたものが、碁石に似てい
たから、碁子麺と言われ、それがきしめんになったという語源があります。また、きじ肉
を入れた汁で食べたということから、きじ麺がきしめんになったという説もあります。ま
た、紀州方面から伝わったため、紀州麺と言われていたものが、きしめんになったという
説もあります。
きしめんに使う小麦粉は中力粉を使います。きしめんはうどんよりも濃い塩水を使うため、
コシのある麺になります。
きしめんのルーツは、愛知県刈谷市にあって、平たいうどんを芋川うどんとよんで、江戸
時代の初期には名物料理として知られるまでになっていたといいます。江戸の言葉では、
ひもかわうどんと言われていたそうです。
きしめんの日というのもあります。食欲の秋の10月、つるつる食べるから10月2日が
きしめんの日です。
きしめんにはバリエーションが多く、かけ、ざる、冷やし、煮込み、あんかけ、カレーを
かけたりもします。薬味もネギ、鰹節、天かす、かまぼこ、わかめなど種類が多く、きし
めんにえび天を添えたり、名古屋コーチンを使ったり、ボリュームたっぷりの組み合わせ
もできます。
名古屋グルメはきしめんの他にも、味噌カツ、天むす、味噌煮込みうどん、ひつまびし、
冷汁、小倉トーストなどがあります。こうした一連の名古屋グルメは、名古屋めしとも言
われ、名古屋から全国へと広がっています。
名古屋で独自の名称がついたものもあり、コロと言えば、きしめんやうどんの冷やしのこ
とを言います。えび天がのったおろし麺はえびおろしと言います。カレースパゲッティは
インディアンスパゲッティと言います。名古屋の食文化は興味深いものが多いですね。